「今年のお米は一味違います???」(2015年お米便り)

                   無農薬有機栽培の山下農園   兵庫県姫路市北原328-4

     080-5634-4790

「今年のコシヒカリは一味違います」。

今年のお米の案内の書き出しは、これで行こうと思っていました。

福島のコシヒカリの種は兵庫のコシヒカリよりも美味しいぞ、という情報をもらって、今年から福島のコシヒカリを作っていたんです。

少し専門的な話になりますが、コシヒカリは1950年代に福井県農業試験場で生まれ、粘りがあり食味が良いことから全国に普及していきました。「原種」のコシヒカリの種もみは、60年ほど前に各県の農業試験場に送られました。試験場で拡大再生産されたものが、種もみ生産農家を経て、僕ら一般農家に種もみとして提供されています。毎年それを繰り返しています。

島根県の堀野さんは、国の農業試験場でおいしいコメ作りを研究されてきた方ですが、退職後田舎で百姓しながら「コシヒカリが誕生してから約60年、各県の試験場が選抜を繰り返していくうちに、同じコシヒカリでも各県によって個性が出てきているのではないか?」という疑念を持ち、全国のコシヒカリの種もみを取り寄せて、比較栽培試験をされました。

すると、草姿、出穂時期、食味等々、「これが同じコシヒカリなの?」というくらい違いがあったそうです。

僕ら農家にとっては「およよ」という話です。堀野さんに、ひそかに「兵庫県のコシヒカリの食味はどうでしたか? 」と聞いてみると、「あまりいいほうだとは言えませんね」とのこと。「新潟や福島がよかった」と教えてくれたので、福島県会津の友人に頼んで種もみを送ってもらい、今年から福島のコシヒカリを作り始めた次第です。

 

稲美町の本岡さんが、福島のコシヒカリと兵庫のコシヒカリを並べて(同じ条件で)作って、試食用にと持って来てくれました。本岡さん曰く「兵庫のコシヒカリは8回噛んでのどに行くけど、福島のコシヒカリは10回噛んでのどに行きます。粘りが違います」とのこと。

昨日(9/20)、朝に福島を、晩には兵庫を炊いて食べ比べをやってみました。邦子も邦子のお姉さんの純子さんも「しゃもじ当たりからして違うように思う。福島のほうが粘りがあっておいしいように思う」との感想でした。ところが、純子さんのつれあいの山崎さんは「僕には違いがわかりません」といいます。

そこで、「並べて食べてみるとはっきり分かるはずだ」「冷ごはんになった時に、もっと違いがでるはずだ」と、翌朝食べ比べをすることになりました。

山崎さんが審判役で、福島2皿、兵庫2皿、合計4皿を準備して、それを僕、邦子、純子さんの3人が言い当てる方式です。「そんなもん、間違えるわけがない」と自信満々で臨んだのですが、結果、正答率は僕と純子さんは0パーセント、邦子が50パーセントでした。「おかしい、頭をクリアにしてもう一度やりなおしてみよう」と、再度べろテストをしてみたら、今度は僕と純子さんが50パーセント、邦子が0パーセントでした。

大笑いでした。いやはや、、、、

(後日談 本岡さんから「冷ごはんになったら、僕にもわかりませんでした」と電話がありました)

 

なにはともあれ、来年の秋に在庫切れの心配をしなくても済む程度には豊作です。また、虫食いも少なくきれいなお米になっています。

どうか、今年も山下農園のお米をごひいきに、よろしくお願い申し上げます。

精選玄米、白米、胚芽米(3〜5分づき) 各5キロ 2500円